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三十三才男日記

タイトル通りです。目指せ1日1更新。

読書感想:『笑いのカイブツ』ツチヤタカユキ著

ツチヤタカユキさんの『笑いのカイブツ』を読みました。

以前からWeb連載で読んでいたのですが、

自伝のようであり私小説のようである作品です。

ツチヤさんはお笑いの世界で、

ケータイ大喜利、劇場つき作家見習い、ハガキ職人構成作家見習い、

と不遇な状況に身をおきながら挫折と成功を繰り返している方でした。

仕事上の才能と人間関係のしがらみという葛藤に激烈な自我でぶつかります。

本文中もあまりにも激烈な葛藤や社会や自らより恵まれた人々への敵意を赤裸々にぶつけてくるので

ドン引きしたりもするのですが、共感できる部分もあるので読むのがやめられません。

ツチヤさんほど極端な思考を持っていなくても誰しも共感できる部分があるところが

この本のいいところではあると思いました。

笑いという表現のためになみなみならぬインプットとアウトプットを繰り返した

ツチヤさんの文体や思考は研ぎ澄まされ、それでいて突き放されたように乾燥しており特異で狂気に満ちてますが魅力的でした。

笑いにかけたツチヤさんと、その特異な性格と狂気は

アウトサイダー・アーティストを思い起こさせます。

有名漫才師に認められたことでツチヤさんを取り巻く状況は、一定以上報われてきており、

さらにこの大手出版社による書籍化によって大きなひとつの花が咲いてるようにも思えます。

月並みですが、この本を読んで自分も狂気にとりつかれたような状態へと向かってみたいと思いました。