物置小屋

いろいろ置いてく。

夜の猫のくらし

夜は今やとてもあかるくなった。

 

それでも未だそこらは暗い。

 

窓の外を眺めていると

 

ふと猫の歩く姿が見える。

 

彼はくつろいでゆっくりと歩いている。

 

そのまま誰かの屋敷のなかの駐車スペースにいそいそと入りこみ、

 

おもむろに仰向けになった。

 

彼は、あるいは彼女は、

 

夜の人の息の寝静まるなかで、

 

ひとときの自由を謳歌しているのだ。

 

また朝が来れば、

 

こうしてここで仰向けになることはできない。

 

夜が来て、朝が来て、また夜が来て、

 

そうして月日は経ち

 

いつかその生は終わる。

 

そんな夜の猫の一幕を私はただじっと眺めている。