物置小屋

いろいろ置いてく。

冷たい紅茶

突如
道端で
鋼鉄の槌が
振り下ろされ
私の頭蓋骨を砕いた
脳漿は飛び散り
眼球は飛びだしてしまった
私は
よろめきながらも
自宅へ戻り
遮光カーテンの隙間から
光の漏れる
薄暗い部屋の中で
座椅子に座り
レバーを引いて
背もたれを倒す
しばらくして
立ち上がり
頭にタオルをまいて
冷蔵庫を開けた
そこには
透明のポットがあった
冷えた紅茶の入った
透明のポットがあった
細長いグラスに
紅茶を注ぎ
また座椅子に戻る
レバーを引いて
今度は背もたれを縦に戻した
机の上に置いた
紅茶をとって
ぐいっと飲み干した
紅茶の苦味と冷たさが
私の喉に
心地よくて
全ての痛みが和らいだ